君のとなりで
「前半2年はアメリカの姉妹校、後半2年は東京の青葉で学ぶんだよ。」

どっちにしろ、その話を受けるとするならば外に出ていかなければならない。

「確か中原は教育学部が志望だったよな?教育学部ならうちの高校からの指定校推薦枠もあるし、お前にとって悪い話じゃないと思うんだけどな。」

アメリカ、東京、いくとなれば当分こっちには戻ってくることは出来ない。

俺の頭に浮かんだのは、実結の顔。

俺が留学することを知ったら、実結はどう思うだろう?

バスケは俺にとって、生活の一部だといっても過言でないくらい欠かせないものだ。

小さい頃からバスケの本場、アメリカに行くことは夢のひとつでもあった。

留学して、いろんなものを見て、体験して、学んで、そんな生活をしてみたい。

プロになれなくても、そういう世界でバスケができるチャンスだ。

夢が叶う、絶好の機会。

だけど、バスケと同じくらい大切な、比べることができない、実結の存在。

あいつのそばから離れたら、俺はどうなるのだろう。




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