君のとなりで

決断 side颯

「先生、俺、この間の話受けます。」

七月の半ば、夏休みが始まる一週間前のこと。

俺は放課後の職員室にいた。

目の前には少し驚いた顔の柴崎。

そして少しの間が空いた後、柴崎は笑顔を見せた。

「そうか、決めたか。」

うんうん、頷く。

柴崎にスカウトの話をされて1ヶ月。

俺はこの1ヶ月、悩んで悩んで、これまでの人生で一番悩んだ。

そして決めた決断。

俺は推薦を受けることにした。

考えている時、思った。

自分の夢と実結は同じ天秤にはかけられない。

「で、ご両親には言ったのか?」

「はい。」

母さんに留学のことをいうとなぜか父さんに会いに行ける口実が増えたとかいって喜んでいた。

「わかった。まあ詳しいことは来週の三者面談で話す。」

「じゃあ失礼します。」

図書室に実結を待たせているので急いで職員室から出ようとした。

「あ、中原。」

ドアの前で柴崎に呼び止められた。



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