君のとなりで
「どうかしたの?」

「いや、あんま見られたらなんか照れる。」

「えっ…あっ、ごめん…」

意味もなく顔なんてじっと見られたら嫌だよね。

慌てて目をそらす。

「あ、中原来たよ。じゃあね、藤咲さん。」

さっさとカウンターに戻っていく都築君。

やっぱり変なひとだなぁ…でも悪いひとじゃないみたい。

「実結。」

都築君がいった通り、颯が後ろにたっていた。

図書室を出て廊下を歩き出す。

「ねえ、なんの話だったの?」

何気なく聞いたつもりだった。

なのに、黙ってしまった颯。

何かいけないこといっちゃったのかな…

最近、颯がおかしい。


< 333 / 612 >

この作品をシェア

pagetop