君のとなりで
上の方とか、椅子がなきゃ届かない。

でも背伸びしたらなんとか届くかも…

ううっ、足がつりそう…

「藤咲さんじゃ届かないでしょ?俺がやるって。」

都築君にそう言われると余計に自分でやりたくなる。

「大丈夫!椅子があれば届くもん!」

そばにあった椅子を借りてきて、上履きを脱いで上に上がった。

ちょっとぐらぐらするけど、これだと上の方も何とかいけるかも!

なんだか目線が高くなっていい気分。

教室のドアのガラスから廊下が見えちゃうくらいなんだから。


だけど、

「あっ…」

そこには教室から出てきた颯。

見なきゃよかった…

「ねえ、藤咲さん、手止まってるよ。」

「へっ?うわっ!」

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