君のとなりで
都築君がふいにあたしの背中を鉛筆でつついたから足を椅子から踏み外してしまった。

ガタンッ

「…いって…」

「ごめんなさいっ!」

思いっきり下敷きにしちゃった都築君。

ああ…最悪だ!

「廊下になんかいたの?」

誇りがついたスボンを払いながら都築君は怪訝な顔であたしを見た。

うっ…怒ってる?

せっかく仲良くなれそうになってきたのに…

これからも係一緒だから喧嘩はしたくないよー!

「なんか、猫がいて!」

咄嗟に口からでまかせを言っちゃった。

学校に猫なんているわけないじゃん!

嘘つくならもっとまともな嘘をつくべきだった…

「猫?へー…見たかったなぁ…」

あれ?

顔が少し緩んでる?

もしかして…

「都築君、猫好きなの?」
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