君のとなりで
だってちょっと口角上がってたよ。

「ん、まあ幼なじみがね…」

都築君にも幼なじみがいるんだ…

「幼なじみさんが猫好きなの?」

「うん、飼ってた。」

へえ…猫と言えば、昔空き地で拾った子猫を一週間だけ公園で颯と飼ってたことがあったなぁ…

雨の日、ずっと傘をさしてて二人でずぶ濡れになっちゃって、風邪を引いたんだっけ?

懐かしい。

ってだめだ!

また颯とのこと、思い出しちゃってた。

「なんかさ、似てたんだよね、幼なじみと藤咲さん。」

似てた?

なんで過去形なんだろう?

気になったけどこれ以上は踏み込まない方がいい。

「あたしとどこが似てるの?」

「うーん、ドジなとことか、天然なとこ?」

なんかあんまりいいところじゃなくない?

それにまだ知り合って一年もたってないのにドジってイメージがつくほどのあたしって…

「藤咲さんに雰囲気も似てたな…ふわふわちっちゃくて小動物みたいな感じ?」

…そこまで言われると会ってみたいなって思っちゃう。

「高校は違うの?」

すると急に都築君の表情が強ばった。

あたし、なにかいけないこと聞いちゃったのかな…

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