君のとなりで

熱中 side颯

俺は実結のことを考えないようにバスケに打ち込んだ。

朝五時に起きて軽く走るとそのあと七時まで公園で練習。

土日は小学生のときに所属していたバスケットクラブにコーチの助っ人として参加。

小論文や面接の練習もしながら推薦入試に向けての準備もしている。

「颯!このシュートの仕方なんだけどさー!」

中学一年に上がった空ともたまにバスケをしている。

「なあ!俺身長ついに160越えたんだぜ!」

嬉しそうに報告する空。

「これからもっと伸ばしていつか颯に追い付くからな!」

なんかその台詞、どっかで聞いたような…

あー…だめだ。

「ま、やれるもんならやってみろよ。」

「なんだよ!俺だって成長してんだからな!彼女だってできたし!」

彼女?

こいつまだ中学一年だよな?

早くない?

「お前、生意気なことばっか言ってるとフラれんぞ。」

「へーん、颯に言われたくねえよ!そっちこそ実結のことちゃんと大事にしてんのか?バスケばっかしてあんまりほっとくと颯こそフラれるぞ!」

バスケばっかり、か。

結構くるな…

当たってるし。

< 391 / 612 >

この作品をシェア

pagetop