君のとなりで
ゴールでハイタッチをする二人。

そういえば疾風は実結のことが好きだったんだっけ。

あいつといれば実結は笑っていられるのかもしれない。


疾風が実結と付き合えば、この気持ちに踏ん切りがつくかもしれない。

…そんなわけないか。

そもそも自分が悪いのに、俺の事情に疾風を巻き込むことはできない。

「一位になりたかったなー!」

苦笑いをしながらテントに帰ってくる疾風。

「おい!疾風!何て書いてあったんだよ?藤咲の紙に!」

「ん?野球部の男子だって。」

「なーんだ。俺てっきり好きなやつとかかと思ったぜ。」

そんな会話を聞いて心のどこかで安心している。

「藤咲さん、めちゃくちゃ可愛いよなー!なんか天使みたい。」

「ちょ、お前天使見たことあんのかよ?」
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