君のとなりで
本当に終わりなんだ。

あたしからいったんだもん。

もうただの幼なじみ。

だってそうでしょ?

このまま話さず、気まずいままになるくらいならそうしたほうがいいと思ったの。

いつかお互いそれぞれ好きなひとが出来て、その人と結婚して、そういえばそんなこともあったね、って笑いあえるようになれるのかな。

心から相手のことを祝福できるのかな。

大人になれば変わるのかな。

やだ、また泣きそうになってる自分。

泣くな、強くなるんだ。

あたしは目にちからを入れて空を見上げる。

泣かない、泣いちゃダメ。

「実結ちゃん!」

後ろから急に声をかけられた。

この声は…たしか…

「西田さん…」

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