君のとなりで
「…そ、う…」

なんで颯がここに…!?

「あー、あんたが中原颯君か。へぇ、摩耶が惚れ込むだけあってイケメンだねぇ…」

どうしてこの人たち、颯のことも知ってるの?

茶髪の男の子が颯に近づいていく。

「そいつから離れろ。」

茶髪を無視してあたしの腕を掴んでいた赤い髪の男の子の手を引っ張った。

「ああ?何すんだよ?」

次の瞬間、バキッと嫌な音がして、颯が地面に倒れこんだ。

「颯っ…」

颯の方にいきたいのに、体を押さえられていていくことができない。

「あーあ、きれいな顔が…残念だねぇ?てゆーか、ここで喧嘩なんてしちゃっていいわけ?推薦、取り消されちゃうかもよ?」

さらに颯の顔を殴る。

あたしは我慢できなくなって、全力で捕まえられていた腕を振りほどくと颯につかみかかっている男の子に飛びかかった。

「やめてよっ!」

「実結っ!離れてろ!」

颯があたしに庇うように覆い被さる。

そのせいでもっとたくさん蹴られる颯。

どうしよう…あっ!

今なら携帯!

鞄はどこ?


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