君のとなりで
大切 side颯
頭に激しい頭痛が走り、目が覚める。
霞んだ視界の先には今にも泣きそうな顔の実結。
なんでそんな顔してんの?
お前の泣き顔なんてもう見たくない。
「…っ…颯!」
あれ…なんか懐かしい。
柔らかくて、暖かくて、安心する。
そっとその小さな頭を撫でてみると、柔らかい髪の毛が俺の指先をくすぐる。
「実結…」
呼び慣れた名前なのに、久々に聞いたような懐かしい響き。
ずっと呼びたくて、でも呼べなかった。
「…っ…」
額に生暖かい何かが流れる感覚がして、触ってみると、赤い血がついていた。
そうか。喧嘩したんだった、喧嘩っていうか殴られた。
今日は職員室で柴崎と少し話していて帰るのが遅くなって。
校門を一人で出て、歩いていると去年同じクラスだった都築遥斗に話しかけられたんだ。
「なあ、藤咲さんって浜松に友達いるの?」
浜松工業は地元ではあまりいい噂を聞かない男子校だ。
そんなところに実結の友達がいたなんて聞いたこともない。
「いないと思うけど、なんで?」
「さっきなんか話してたから。」
なんでだ?
胸騒ぎがした。
嫌な予感がする。
俺の足は勝手に走り出していた。
そして使われていない小さな倉庫のなかで泣いている実結を見つけた。
霞んだ視界の先には今にも泣きそうな顔の実結。
なんでそんな顔してんの?
お前の泣き顔なんてもう見たくない。
「…っ…颯!」
あれ…なんか懐かしい。
柔らかくて、暖かくて、安心する。
そっとその小さな頭を撫でてみると、柔らかい髪の毛が俺の指先をくすぐる。
「実結…」
呼び慣れた名前なのに、久々に聞いたような懐かしい響き。
ずっと呼びたくて、でも呼べなかった。
「…っ…」
額に生暖かい何かが流れる感覚がして、触ってみると、赤い血がついていた。
そうか。喧嘩したんだった、喧嘩っていうか殴られた。
今日は職員室で柴崎と少し話していて帰るのが遅くなって。
校門を一人で出て、歩いていると去年同じクラスだった都築遥斗に話しかけられたんだ。
「なあ、藤咲さんって浜松に友達いるの?」
浜松工業は地元ではあまりいい噂を聞かない男子校だ。
そんなところに実結の友達がいたなんて聞いたこともない。
「いないと思うけど、なんで?」
「さっきなんか話してたから。」
なんでだ?
胸騒ぎがした。
嫌な予感がする。
俺の足は勝手に走り出していた。
そして使われていない小さな倉庫のなかで泣いている実結を見つけた。