君のとなりで
「うん、ちゃんとするつもりだよ。」

遅くても一ヶ月後以内には、年内にはけじめをつけたい。

「そっか、頑張れ!」

あゆちゃんがあたしの頭を撫でてくれる。

あたしもしっかり颯みたいに自分の夢に向けての進路を決めていかなきゃ!

「なんかあったらすぐに言いなよ?実結は意外と一人で抱え込んじゃうから。」

早紀ちゃんがもあゆちゃんも優しいな。

二人がいてくれてよかった!

神様、どうか合格できていますように!


その日の放課後、カウンター当番の日だから都築君と図書室に向かう。

そういえば、この前のことちゃんとお礼言えてなかった。

都築君があたしのことを颯に知らせてくれなかったらあたし、今頃どうなっていたんだろう?

考えるだけでもゾッとする。

「都築君、この前ありがとうね。」

「ん?ああ、やっぱり藤咲さんに浜工の知り合いがいるわけないって思ったんだよね。たまたま中原いたから。」

そっか、都築君はあたしに起こったことを知らないんだっけ。

「うん、おかげですごく助かりました。本当にありがとう!」

「助けたのは中原だよ?」

確かに助けてくれたのは颯だけど、都築君が颯を呼んでくれなかったら、あたし、きっとあのまま…

「藤咲さんさ、このままでいいの?」

都築君が急にいつになく真剣な顔であたしを見る。

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