君のとなりで
好き。

愛しい。

そんな感情が溢れてる。

強く強く抱きしめた実結は、小さくて、華奢で、弱くて。

「…ごめん、俺のせいで怖い目にあわせて…本当にごめん。」

何も悪くない実結が傷付いた。

「颯のせいじゃないよ。」

そう言うと、実結は俺の背中に手を回した。

「颯…好き…です…」

顔を埋めたまま、小さく呟く。

なんでこんなに、可愛いんだろう。

なんでこんなに、好きだって思うんだろう。

普段なら恥ずかしくて絶対に素直に言えないのに、今は伝えたい。

「俺も、実結が好き。」

何回言っても慣れない、好きって言葉。

恥ずかしくて、実結の顔も見れないのに、言いたかった。




< 469 / 612 >

この作品をシェア

pagetop