君のとなりで
「颯?行こう?美恵さんたち待ってるよ。」

そう言ってドアの方に歩き出した実結を背中から抱きしめる。

「そ、颯!?」

なんでだろう。

こうしたくてたまらない。

腕の中でびっくりして固まっている実結。

「どうしたの?」

「別に、なんかこうしたくなった。」

なぜか素直に言ってしまう。

恥ずかしさよりも実結に触れたい思いのほうが優っていて。

「颯、今年1年間ありがとうね。」

そう小さく呟くと俺の方へ顔を向けた。

「来年もよろしくね!」
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