君のとなりで
「ついに隼人と親戚になるのか。」

え!?

それって…

「聖、真結のこと、頼むな。」

おおっ!

これは承諾したってことだよね!

すごい!

「きゃー!ついにあたしたち親戚になれるよ!美恵ちゃん!」

「日菜ー!やったわね!」

お父さんとは裏腹に手を取り合って喜ぶお母さんと美恵さん。

「真結こそ、聖のことよろしくな。」

隼人さんも真結ちゃんに優しく笑いかけた。

「よし、今日は飲もう!聖も真結もだ!」

隼人さんの一言により、盛り上がって、お酒を飲み始めた四人。

ふう…

なんだかすごいことになっちゃったな…

それにしても、羨ましい。

だってずっと好きだった人と結婚なんて素敵だもん。

あたしもいつか…

なーんてっ!

気が早すぎるか!

そんなことを考えていると

「実結、時間きた。行くよ。」

颯の一言で時計を見るとそろそろ十一時半。

早紀ちゃんたちと待ち合わせてるからもう行かなきゃ!

「寒くないようにしていけよ。」

「はーい。」

マフラーも手袋も、おまけにニット帽もかぶって準備は万端!

だけど、やっぱり、外は寒い。

エレベーターを待つ僅かな時間でさえ寒い。

「びっくりしたね、聖君のプロポーズ!」

「真結ちゃんが言ってたのはこのことだったんだな。」

真結ちゃんが言ってたの?

え?

颯、もしかして知ってたの??

「でもさ、俺達、兄妹になんのかな。」

颯の何気ない一言に、耳を疑った。

きょ、兄妹!?

確かに真結ちゃんと聖君が結婚したら…

ていうことは、まさか!!!

「あたしたち、結婚できないってこと!?」

「結婚?」

へっ?

あ!やだ!

勢い余って恥ずかしいこと言っちゃったよ!

結婚なんて颯は考えてないのに!

うわぁ…恥ずかしい!!

「ごめん!忘れて!」
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