君のとなりで
思わずびっくりして、颯の体を押していた。

颯を見ると、気まずそうな顔。

「ごめん、止まんなくなった。」

「いっ、今のは…!?」

そう聞くと、颯は大きくため息をついた。

「…言わせるなよ、そんなこと。」

なんで!?

言わせるなってなによ!

あ!

もしかしてさっきのが、早紀ちゃんが前に言ってた大人のキスってやつなのかな?

「帰るか。」

って!

もう!なんなの!

すでに屋上のドアを開けてエレベーターのボタンを押していた颯の背中に思い切って抱きついてみる。

ひゃあー!

自分からこんなことするなんて、やっぱり新年早々、あたしは変だ。

「今年も、好き。」

恥ずかしいのに、言いたかった。

颯に好きだって、言いたかったの。

「…颯は?」

言ってほしい、お願いだから。

なんだかあたし、どんどんわがままになってきてるみたい。

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