君のとなりで
それが一週間前のこと。

2月7日のことだった。

そして、今日、2月14日はバレンタインデー。

クラス内では受験生ながらもみんな少しだけフワフワしてて。

「そうだけど、でも、もし振られたら卒業までつらすぎる!」

あゆちゃんは隣の県の大学、桐生君は実家のラーメン屋さんを継ぐからこのままでは離れ離れ。

だから、早紀ちゃんが後押ししたってわけなのです。

「今さら何言ってんの!そんなことで気まずくなるような仲じゃないでしょ?」

小学生からの幼なじみ同士の二人。

あたしも早紀ちゃんも、一応幼なじみと付き合ってるからあゆちゃんの不安な気持ちとか、これまでの関係が壊れちゃうことへの怖さとかはわかる。

でもね、きっと桐生君もあゆちゃんのことが好きだと思うんだ。

「あゆちゃん!大丈夫だよ。ちゃんと思い、届くよ!」

あたしがそう言うと、あゆちゃんはあたしに抱きついた。

「実結ぅ!ありがと!」

あゆちゃんは普段はサバサバしてるのに、こういうときすごく女の子になるからかわいい。

「あっ、桐生来たよ!ほら、頑張れ!」

「そこで待っててね!?」

あゆちゃんは何度も振り返りながら、待ち合わせ場所の中庭に。

あたしと早紀ちゃんはあゆちゃんに言われたとおり、植え込みへ。

「あゆもあたしたちに告白見守ってほしいなんて変わってるよね。」

早紀ちゃんが二人を見ながら言う。

確かにあたしだったら告白してるところなんて見られたくないかも。

だって恥ずかしいもん!

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