君のとなりで
「ありがとうございました。実結先輩。」

そう言って笑った水橋さんはやっぱりすごく美人。

こんな人に颯は告白されたのか。

「ありがと!実結先輩!また遊びに来てね!」

星野君は部活に入ってないあたしにとって一番仲良く出来た後輩。

自由登校になっても校内で見かけるたびに話しかけてくれた。

それが嬉しかったの。

「実結先輩、体育館に行ってください、きっと颯先輩が待ってます。」

水橋さんが図書室の扉をあけた。

「ありがとう!」

あたしは頷くと、体育館に向かって階段を降りた。

早く、早くもっと。

早く走って、颯に会いたい。
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