君のとなりで
「実結?不安なの、遠距離。」

さすがは真結ちゃん、何でもお見通しだ。

「うん、ちょっとだけ。」

「遠いもんね、アメリカは。でもさ、きっと大丈夫だから!お母さん達、見てみな?ラブラブでしょ?」

確かにお父さんとお母さんは単身赴任してても毎日電話してるし、たまに帰ってきた時には必ず二人で出かけてる。

「颯は聖と違ってなかなか言葉に出して言わないけど、きっと実結のこと誰よりも大切に思ってくれてるよ。だから実結は颯のこと、信じれるでしょ?」

そうだ、颯はあたしのこと、本当に大切にしてくれてる。

甘えてるばっかりじゃダメなんだ。

あたしもちゃんと自立しないと。

颯に似合う、女の子になりたいもん。

「うん!真結ちゃん、ありがと!」

「あたしが家出てもいつでも相談に乗るからね!」

真結ちゃんは本当に優しい、あたしの自慢のお姉ちゃん。

今日だってきっとウエディングドレスのことは口実で、あたしのこと、励ましに来てくれたんだ。

みんなが支えてくれてるからあたしはきっと、頑張れるよ。

颯のこと、思っていられるよ。

それを乗り越えられたら、きっと成長できるよね。

だから、大丈夫。
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