君のとなりで
十八歩目

大好だからside実結

寝ちゃったのかな?

目を閉じた颯の寝顔をまじまじと見つめる。

やっぱりきれいな顔だな…

睫毛だって長いし、肌もすごく綺麗。

少し嫉妬しちゃうくらい。

いつもあたしにしてくれるみたいに、その柔らかい髪にそっと触れてみる。

明後日には本当にアメリカに行っちゃうんだよね。

そしたら、二年は会えない。

「大好きだよ。」

その寝顔を見ながら言ってみる。

本当に、本当に大好き。

さっきはキスされるかと思ってすごくドキドキしたのに、空気の読めないあたしのお腹が鳴っちゃってムードが台無しに。

颯はやっぱり、からかって。

もっともっと、触れたいのにやめちゃうの?

一番近くになりたいのに。

もっとたくさんキスしてほしい。

もっと颯に近づきたい。

そんなことを思いながら眠っている颯の隣に寝転ぶ。

その拍子にかすかに手が触れ合った。

…繋いじゃってもいいのかな…

ええい!

繋いじゃおう!

あたしは颯の手に指をからませた。

はじめは恋人つなぎなんて知らなかった。

でも今はその繋ぎ方のほうが増えてきている。
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