君のとなりで
本当はバスケに集中するのに遠距離恋愛なんてしている場合じゃないと思う。

なのにそれでもあたしと付き合ってくれることを決めてくれた。

いいのかな。

あたし、颯のお荷物になってないかな。

「誰と来たのかなー、やっぱり彼女？」

「えー、でもさ、それらしき人いた？」

それ以上聞きたくなくて、中にあるお風呂場に入った。

少し冷えた体を温かいシャワーで温めると、なんだか安心した。

こんなところでネガティブになってても仕方ない。

最後はちゃんと笑顔でいるんだ。

そう、昨日の夜、決めたでしょ？

絶対に泣かないって。



脱衣所を出ると、前同じように先に颯が出て待っていてくれてた。

「お待たせ！」

「お前、髪ちゃんと乾かしたか？まだ夜は冷えるんだし、風引くぞ。」

そう言うと、持っていたタオルであたしの髪を拭いてくれる颯。

こんなに人がいっぱいいるのに…

「部屋でドライヤーで乾かすよ！ありがとう。」

嬉しいのに、ちゃんと颯の顔がみれないのはきっとあたしの顔がうまく笑えていないから。

こんな顔見せたって、颯に嫌な気分にさせちゃうだけだ。

最後にそんな顔見せて、別れたくないでしょ？
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