君のとなりで
その大きな少し潤んだ瞳を見つめながら、覚悟を決めた。

恥ずかしがっていられないくらい、伝えたいから。

言葉にしなきゃ、伝わらない。

「最初は、アメリカに行くのに、実結と突き合ってもいいのかってすごい悩んだ。だって、俺は実結のそばにいられないのに。」

実結を縛っておきたくないって、泣かせるくらいなら、つらい思いをさせるくらいなら別れたほうが実結のためだって思っていた。

「だけど、それでも別れてから気づいた。俺にとってお前がどれだけ大きい存在なのか。実結を俺のわがままでも誰にも渡したくないって思った。」

自分勝手な独占欲だけど、絶対に譲れないくらいに。

「俺、女心?っていうのに疎いみたいだし、多分これからもお前のこと不安にさせたりすることあると思う。離れたらなおさら多くなるかもしれない。」

バスケに夢中になって、まめに連絡とったり、そういうこと出来ないかもしれない。

「気持ちとか伝えるのも得意じゃないし、自分勝手だけど、でも、」

それでも、これは嘘じゃない。

本当の、俺の気持ちだから。

「実結のこと、本当に好きだから。何よりも大切にしたいって、思ってる。」
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