君のとなりで
何回言ってもなれない好き、という言葉。

何回言っても照れてしまうくらいのヘタレ。

実結は…

「っうう…ふっ…」

泣いてる!?

「颯!…颯、あたしも、大好き。颯が大好きだよ。」

そう言うと、俺に抱きついてくる。

「あ、そうだ。」

俺はあることを思い出した。

時間は十一時半。

ギリギリセーフだ。

朝からずっといつ渡そうか待っていた。

「実結、後ろ向いて?」

不思議そうな顔をするけど、素直に俺に背中を向ける。

その白い首に、かけたもの。

「わあ、きれい!」

それは細い銀のチェーンに小さな水色の石のついたハートのモチーフのネックレス。

今回は誰にも相談せずにひとりで買いに行った。

やっぱりアクセサリー売り場に入るのは少し気が引けたけど…

「ありがとう!颯!あたし、一生の宝物にするね!」

その笑顔が見れたなら、いい。

「誕生日、おめでと。」

今日は実結の十八回目の誕生日。

やっと俺達は同い年になった。


「本当にきれい!それに可愛いね。」

「その石、なんか誕生石らしいよ。」

店の店員が言ってた。

「アクアマリンは3月の誕生石で、持っていたら幸福が訪れるんです。」
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