君のとなりで
はあ…なんか疲れた。俺ももう寝るか…自分の勉強は実結を教えがてら復習にもなってるし。

その前に風呂…よく考えたら実結は学校からうちに直できて、そのままうちでご飯を食べて帰ったから俺制服のまんまだった。

めんどくさいと思いつつ洗面所に向かう。洗面台の前では兄貴が何やらごそごそしていた。

「風呂入りたいんだけど…」

そう言うと振り替えって笑顔で何かを見せてきた。顔を近づけて見てみるとそれは華奢などう見ても女物のネックレス。

「何それ?」

「バーカ、今の時期こんなもん持ってたら普通わかるだろ?真結のクリスマスプレゼントだよ!」

クリスマスプレゼント?真結ちゃんに?

「旅行行くのにプレゼントまであるの?」

いつも金欠だとかいってバイトを掛け持ちしていた兄貴にそんな金があったのか?

金があるんならこの前貸した五千円、早く返してほしいんだけど。俺も今月結構金欠だから。

「当たり前!真結のためならバイトだってなんだって頑張れる!」

自分の兄ながらこういう素直なところ、羨ましいわ。俺はこういうこと苦手だから。

「颯は?実結に何かあげるんだろ?」

「何にも買ってないけど。」

だって今は期末やら部活の年末にある最後の試合やらで忙しくて、正直クリスマスの存在なんて実結に言われるまで忘れていた。
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