君のとなりで
十九歩目

夢 side実結

「もう、実結ったらそんなに泣かないで?」

「ううっ…だって!真結ちゃんっ!」

あたしの頭を優しく撫でるのは、純白のウエディングドレスに見を包んだ真結ちゃん。

我が姉ながら、見惚れるぐらいに美しい。

「ほんと、っ…真結…」

こちらも白いタキシードが決まってる、まるで王子様みたいな聖君。

だけど、真結ちゃんより涙脆いところは、なんだかかわいい。

「はあ…バカ兄貴。」

呆れたようにため息をつくのはグレーのスーツがものすごく似合ってて、見るだけでときめいちゃうくらいの颯。

そう、今日はあたしの姉、藤咲真結、改め中原真結と聖君の結婚式なのです!

颯がアメリカに行ってはや二年。

遠距離恋愛は辛いこともたくさんあったけど、何とかやってこれた。

そして二年ぶりに日本に帰ってきて、今は東京の大学生の学生アパートで一人暮らしをしている颯。

アメリカよりは距離は近いけど、やっぱりそう簡単に逢える距離ではないから、会えるのは月に二回くらい。

お互い大学三年生で、夢に向かって資格のための勉強をしたり、忙しい。

颯はバスケの方も忙しいみたいで。

「聖、真結を頼むな。」

お父さんが笑顔で聖君の肩を叩いた。
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