君のとなりで
「聖君、真結はわがままな所もあるけど、よろしくね。」

お父さんの隣で、嬉しそうに笑うのはお母さん。

「はい!俺、必ず真結を幸せにします!」

「もう!聖が泣いてばっかであたし、泣けないじゃん!」

相変わらずお似合いの二人はあたしの憧れ。

あたしもいつか、ウエディングドレス着たいな…

その隣には、やっぱり…

「…ゆ!実結!ボーッとしてんなよ。」

はっ!

また妄想の世界に浸っちゃったよ…

二十歳になってもこの癖だけはなかなか治らないんだよね。

それにしても、颯のスーツ姿、本当に惚れ惚れしちゃう。

高校卒業してからアメリカに行って、帰ってきた颯はますますそのかっこよさに磨きがかかっている。

プラス、大人の色気っていうのかな、なんだかすごくドキドキしちゃう。

今日はあたしも一応結婚式仕様で、早紀ちゃんと選んだ水色のミニドレスに白いボレロを羽織って、そして慣れないミュールも履いている。

だけど、似合ってるのかは定かではない。

朝、会った颯に「似合ってるかな?」って聞いたら、思いっきり目をそらされたし…

さすがに小学生には間違えられることはないけど、中学生はまだまだあるし、二十歳になったけど、お酒だって飲めない。
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