君のとなりで
「何にもって…お前さ、そっけなくばっかしてると実結に愛想尽かされるぞ?」

兄貴の恋愛論なんかで諭されたくないんだけど。男兄弟二人でこんな夜に気持ち悪い。

「てか早く風呂入りたいから出てって。」

「かわいそうに、こんな冷たい彼氏俺やだ。」

俺だって嫌だよ。やっと出ていった。

プレゼントか…用意した方がいいよな?クリスマスに二人で出掛けるんだし。

でも何買えばいいのか全然わかんねえ。山下に聞くのもめんどくさいし、昂は役に立たなさそうだ。

だめだな、自分のこういうところ。すぐにめんどくさがって逃避する。

ほんとに愛想尽かされたりして。…笑えない。

とりあえず、今はテストが終わるのを待つしかない。考えるのはその後だ。

色々考えることもめんどくさいけど、兄貴みたいに何よりも、どんなことよりも実結のためにっていう風に俺はなれない気がする。

やっぱり、向いてないんだよな、恋愛とかに。
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