君のとなりで
それに、実を言うとキスの先の関係にまで進んでない。

これを早紀ちゃんとあゆちゃんに行ったら二人ともすごくびっくりしていた。

でも留学してた間は一回も帰ってきてないなら会えてはないし、今年東京の大学に通い始めたからしょうがないんじゃないかな。

高校を卒業して、颯がアメリカに行っちゃう前に行った星見が丘への旅行の時、そういう雰囲気にはなったけど、颯は途中でやめちゃったんだっけ。

あの時は大丈夫、とか言ってたけど、実は少し、ううん、かなり怖かったんだと思う。

だってあたしはそういう体験はもちろんないし、噂によると痛いとか苦しいとか聞いたこともあるから。

でもすごく幸せな気分になれるとも聞いたことがある。

大好きな人と一つになるってことはすごくすごく大きなことで、嬉しいなんて言葉じゃ言い表せないくらいきっと幸せなんじゃないかなって経験したこともないのに考えちゃうんだ。

だから、もう覚悟はできてるんだよ。

「実結ちゃーん、その上目遣いヤバイね、颯いっつもこんなんで見られてんの?俺、理性持たねえわ。」

昂君があたしを見ながら言った。

う、上目遣い?

やばいってどういうことなんだろう?

あたしがよくわからないって顔をすると、颯があたしの目を隠した。
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