君のとなりで
これからどうすればいいんだ?

全然わかんねえよ。

余裕ねえな、俺。

「…颯…」

背中に急に温かいものが触れた。

それは実結で。

「…本当に、いいの?」

今なら、今ならまだ大丈夫。

あとに引ける。

コントロールが効く。

「…いい。颯とならいいの。」

その言葉を聞いて、俺の中の拙い理性は飛んだ。

実結を抱きしめると、そのままそっとベッドに倒した。

ベッドの上で、実結の潤んだ大きな目が俺を捉えて離さない。

あの夜みたいに、無我夢中で唇を重ねる。

息苦しくても、それがなんだか心地よくて。

深く、深く口付ける。

本当に、止まらない。

実結に触れたい。

一番近くに、なりたい。

好きだなんて言葉では言い表せないほどの大きな思いになっているんだ。

その言葉を、俺は知ってるよ。

いうのはひどく恥ずかしくて、怖くて、だけど伝わらないなら言ってしまおう。

生まれて初めて、使ったその言葉。

「…実結、…愛してる…」
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