君のとなりで

一番近くに side実結

「実結、愛してる…」

そう言った颯の顔を思わず凝視しちゃう。

だって初めて、誰かにそんなこと言われたの、初めてだったから。

ドラマや漫画などではよく見るセリフだけど、あまり意味はよくわかってなかった。

愛する、ってなんなのかな。

好きとはどう違うのかな。

だけど、颯に言われて、なんとなくだけどわかったような気がする。

三年前、好きとは違うなにか深い感情を颯に対して感じたとき。

あの時はまだわかっていなかったんだ。

それが今、やっとわかったよ。

これが、愛するってことなんだね。

颯が教えてくれたんだ。

「あたしも、颯のこと愛してる!」

颯は顔を赤くしてあたしを見ると、また恥ずかしかったのかキスをしてくれた。

だんだん激しくなっていくキスに、ついていくのがあたしはやっとで。

こんなキスを受け入れられるようになったのはいつからなんだろう。

恥ずかしくて、必死で、なのにもっとして欲しくて。

颯はいつの間に、こんなキスを覚えたの?

やっと唇を開放されて、その大きな目に見つめられると胸がどきんと大きく鳴った。

「…服、脱がせてもいい?」

ぬっ、脱ぐ!?

そりゃそうだけど!
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