君のとなりで
そんなこと聞かれて返事なんてできないよ!

黙っていると颯の手があたしの背中に回って、優しく抱きしめられた。

「本気で止まんないかもしれない…今ならまだ辞めれる…どうする?」

颯の表情はなんだか少し強張っているように見えた。

もしかして颯も緊張しているのかな。

「颯も、ドキドキしてるの?」

そういうと颯はあたしの手を自分の胸にやった。

う、わぁ…

すごい。

早いし、ドキドキ鳴ってる…

「当たり前だろ、初めてなんだから…」

そっか…颯も同じなんだ。

そう思うと、少しだけ緊張が解けた気がする。

「何笑ってんの…」

やっぱり照れてる颯はかわいい。

いつもより幼く見えて、あたしが優勢に立ってるように思えちゃうから。

「…んんっ!」

颯の顔を見てるとなんだかおかしくて、笑ってると突然キスされた。

「笑ったお仕置き。」

そう言ってニヤッと笑った顔はさっきの可愛い顔と打って変わって、なんだか妖艶というか、セクシーというか…

すぐに形勢逆転されちゃうんだ。

そしてまた、深い深いキスをされて、その甘さに酔いしれていると颯の手があたしのTシャツの中に入ってきた。
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