君のとなりで
そんな単語に目を思わず向けると、すごく大人っぽくて、背がすらりと高い美人な女の子二人組がいた。

だめだ…完全に負けてる。

天と地くらい負けてるよ…

「摩耶なら美人だしいけるんじゃない?」

いやだ!

彼女はあたしなんだよって叫びたいよ。

でも言えない。

「みーゆ!なにそんなことでぼーっとしてんの?教室に入んないの?」

「早紀ちゃん!」

あたしの肩を叩いたのは小学校からの親友の山下早紀ちゃん。

美人でスタイル抜群で、しっかりものの早紀ちゃんは親友であり、あたしの憧れの存在でもある。

「そんな暗い顔してー!明日は颯君と付き合い始めてから一年の記念日なんでしょ?」


そうだ!

早紀ちゃんに聞いてみよう!

まわりからみてあたしたちは彼氏彼女の関係に見えるのかどうか、早紀ちゃんならわかるはず!


「あたしたち、ほんとに付き合ってるのかな?」

「なーにいってんの?一年も付き合って今更…」

早紀ちゃんは明るくケラケラ笑う。

「でも…恋人らしいこと、全然してないし…颯はあたしのこと彼女として見てくれてないのかもって…思っちゃって…」
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