君のとなりで
「あっ!ホームルーム始まる!あたし終わったら保健室よるけど、颯君も行くよね?」

このまま帰れるわけない。行くに決まってる。

ホームルームが終わったら廊下で待ち合わせて保健室に行くことになった。なぜだか昂も。

「だって実結ちゃんは俺達四人の大事な仲間じゃん!心配だろ。」

そんなことを言いながら席につく。こういう日に限って長引くホームルーム。早く終われよ。


チャイムが鳴ると同時に教室を出て、すでに廊下で待っていた山下と遅れてついてきた昂と保健室に向かう。

「実結さ、颯君とよっぽどクリスマスを過ごしたかったんだね。あんなに苦手な数学をあたしや平野君に教えてもらって。」

平野?またその名前が出た。誰なんだ?

「平野って誰?」

すると昂が口をはさむ。


「ほら!野球部の!爽やかなイケメンだよ!あいつけっこうモテるんだぞ、颯にはかなわねえけど。」

野球部…実結と仲良いのかな…勉強教えてやるくらいだもんな。
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