君のとなりで
そうもごもご言うと、早紀ちゃんは目を見開いてあたしの手をガシッと握った。急にどうしたんだろ?

「実結…颯君とどこまでいったの?」

どこまで…?「公園とか?あ、後、テスト前に学校の帰り図書館に行ったよ!」

ほんとは遊園地とか、水族館とかでいかにもデート!みたいなのしてみたいんだけど、颯は人混みが嫌いだし、部活も忙しいしね…

「ちっがーーう!!そういう場所とかじゃなくて!!キスとか、エッチしたのかってことよ!」



ええっ!?

「早紀ちゃん!なに言って…」

もう!あんまり変なこと言うから思わず鞄を落としちゃったよ。

「エッチはともかく、キスはしてるのよね?」

涼しい顔であたしの答えを待つ早紀ちゃん。

「してないよ!だってまだあたしは…!」

手だって付き合い始めてから数えるほどしか繋いだことないのに、キスなんかしてるはずないよ!

「もう付き合って一年なのにキスまだとかどうなの?」

えっ!?

おかしいの!?

あたし、颯と、その、キスなんてもっと先の話だと思ってたんだけど…
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