君のとなりで

風邪のせい side颯

実結が倒れた日から3日後、すっかり元気になった実結は学校に行くことができた。

朝練があった俺はまだ実結に会ってない、そう、つまりあのとき以来ってこと。

恥ずかしすぎる。あの日の俺は、どうかしていた。今さらだけど、激しく後悔している。

「颯君!12月24日、クラスでクリスマスパーティーするんだけど、参加してくれないかな?」

机にふせっていると、クラスの中でも派手でなぜか一緒に学級委員をしている西田がものすごい香水の匂いをさせながら近づいてきた。

「カラオケなんだけど、何か用事ある?ないんだったらできれば参加してほしいんだけど!」

クラスのパーティー?そんなのやるのか…まぁ俺の答えは決まってるけど。

「悪い、俺、その日用事あるから行けない。」

実結との約束。風邪までひいて頑張って倒れた実結、ドタキャンは絶対にできない。

「ええ~!来れないのぉ?摩耶、颯君いないとつまんないよぉ!」

こいつの語尾を伸ばすしゃべり方が俺は苦手。
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