君のとなりで
「そんなんじゃ、付き合う前から全然変わってないじゃない。」

うっ…

わかってはいたけど、他人から見てもやっぱりそうなんだ…改めて言われるとショック!

「どうすれば恋人っぽくなれるのかな?」
ずっと幼なじみとしてやってきたから難しい。それにあたし、恋したのも、付き合ったのも颯が初めてなんだもん。

「そこは色気でしょー?女の色気に男って弱いんだからー!」

い、色気?

早紀ちゃん…あたしにそんなものがあるわけないよ!

あったら苦労しないってば!

「ないんだよー!!あたしに色気なんかっ…早紀ちゃんは大人っぽくていいなぁ…」

ちゃんとお化粧とかしてるし、髪とかもちょっと巻いたりしてて、すっごくおしゃれ!

ほんとに憧れちゃう。

「実結だってちょっと本気出せば変わるわよ。あたしが手伝ってあげる!」

早紀ちゃんはそう言い、怪しげに笑うと、チャイムと同時に席についた。

なんかちょっと不安だけど、颯と恋人っぽくなりたいもん!

早紀ちゃんを信じよう!
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