君のとなりで
「そういえば実結ちゃんは?」

山下としゃべりたくてそわそわしていた昂がやっと一言。

「なんか友達?他のクラスの子に呼ばれて行ってるのよ。あ、あたしこれから委員会だからこれで。颯君、頑張ってね!」

それだけ一気にいうと廊下の向こうに走って行った。

「俺は無視かよ…早紀ぃ…」

本気で落ち込んでいるやつがここに一人。ちょっと可哀想に思えてきた。

「昂っ!」

するとなぜか山下が再び廊下を走ってきた。

「24日の放課後、あたしクラスのパーティーに参加しなきゃ行けないの。だから行けないわ!ごめんね!」

そして今度こそ、廊下の向こうに消えていった。

さっきよりもさらに落ち込んでいる昂。まあ、しょうがねえよな。
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