君のとなりで
そしてその日から部活が忙しく、結局実結とは話せないまま終業式が終わった。

今日はどのクラスでも打ち上げならぬクリスマスパーティーがあるようで。

二学期最後のロングホームルームが終わると一斉に廊下が騒がしくなった。

「ねえねえ、このまま行くよね?」

「クリスマスプレゼント買った?」

そんな会話が聞こえるなか、俺は人混みのなかからおもいっきり腕を引っ張られた。

「颯君!ちょっと来て!」

ものすごい力で俺の腕を引っ張るのは山下。女とは思えないような怪力。

ずんずん歩いていき、たどり着いたのは人気のない廊下の端。

「どういうこと!?実結がどれだけこの日を楽しみにしてたか知ってるでしょ?なのに…!!!」

は…?だったらなんで断られたの?

「断られたのは俺なんだけど。」

そう言うと山下はさらに俺を睨んだ。下からにらまれているとはいえ、なかなか迫力がある。
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