だから、無防備な君に恋に落ちた
最後の告白
今日、絵美ちゃんに告白をします。
約束の時間、五分前。
あの人が約束をした時間は午後一時。
でも、その後で、俺は絵美ちゃんのアパートに戻り、ポストの中に“午後5時に変更”、それだけ書いた紙を入れておいた。
一応、絵美ちゃんが見ていなかったり、気付いていなかったりしたら大変だから、元々の約束の時間には目的地に着いていた俺。
『…あ……』
可愛らしいフレアスカートを着て、絵美ちゃんは待ち合わせの場所に来た。
それを確認したところで、俺はすぐ横の迷子センターに入る。
~♪~ピンポンパンポーン~♪~
独特の音が流れ、迷子センターの人が俺が頼んだことをアナウンスする。
『○○県△△市からお越しの佐々木 絵美様。
お連れのお客様が噴水前広場にてお待ちしております』
迷子センターのドアに隠れ、絵美ちゃんの様子を伺うと、“私?”と言わんばかりの顔をして、でもアナウンス通りに噴水前広場に移動し始めた。
『…すんません』
俺は係りの人に頭を下げると、その人はニコッと微笑んで、
『頑張ってくださいね』
そう、言ってくれた。
俺はもう一度頭を下げ、絵美ちゃんより先回りすべく、噴水前広場に急いだ。
ギリギリ絵美ちゃんより早く着いたのを確認して、俺は近くの椅子に腰掛けた。
ここは軽食が食べれるコーナーがあって、その横には大きな液晶画面が置かれている。
『…きた……』
絵美ちゃんの姿を確認した俺は、帽子を深くかぶり直して、その時がくるのをドキドキしながら待った。
~♪~♪~♪~
突然大きいBGMが流れ始め、そこを行き交う人々が驚きの声を上げている。
そして、設置されている大きな液晶画面に色とりどりの文字が流れ始めた。
『えーここ、こんなことしてんの?』
そんな黄色い声が飛び交う。
でも、その場にいる全員が、優しく微笑んでいる。
『…うそ……』
『驚いた?』
『……え……なにこれ……え…嬉しいよ……え…なになにー!?』
俺の近くにいるカップルがそんな会話を始める。
彼女の方はもう泣いてるんだか、笑ってるんだか。
それもそのはず、その液晶画面には彼からのプロポーズの言葉が表示されていたから。
俺は、少し離れた絵美ちゃんの見つめる。
その時、絵美ちゃんが画面に釘付けとなった。