だから、無防備な君に恋に落ちた



『……え………』


絵美ちゃんまで少し距離があるのに、それでも絵美ちゃんのそんな声が聞こえた気がした。



そして、言葉と共に、絵美ちゃんは両手を口元に持っていき、目を見開いていた。





その姿を確認して、俺は立ち上がり、そしてユックリと歩き出す。








HAPPY BIRTHDAY!!

絵美ちゃん、誕生日おめでとう!!

絵美ちゃんが産まれてきてくれて、

そして絵美ちゃんに出逢って、

絵美ちゃんを好きになれて、

すっげー幸せです!!


絵美ちゃん、好きだーーー!!!!






画面にデカデカと表示されている文字。




『……なに……これ……?』


まだ驚いてる絵美ちゃんのすぐ傍まで来て、俺は被っていた帽子を取った。



目の前にきた男の子が、帽子を取り、その顔が見えた瞬間、絵美ちゃんの目から涙が溢れた。





『……え……なんで……いるの…?』



『んー、これ頼んだの俺、だからね』




俺の言葉に、絵美ちゃんは視線を反らした。







『あのさ、俺、やっぱ絵美ちゃんのこと諦めらんないんだけど。
 俺とさ、恋、始めない?』




『……え……?』





『だーかーら、絵美が好き、って言ってんの!』




『…………………』




『もしさ…絵美ちゃんが同じ気持ちならさ、俺の傍にいてくんない?』



絵美ちゃんは俯いて、でも顔を上げて。





『………私………』




ごめん。


なんか待ってらんないや。








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