君と僕の一夜物語
同じ宿屋、しかも同じ部屋
ベッドは一応離れているものの
2歩あればたどり着ける程の距離
『馬車の中で一緒に寝たし
それとどう違うっていうんだ』
「あ、あれは仕方がないというか」
こんな言い争いしても
埒が明かないのは分かってる
『宿屋の主人にだって
普通に兄妹に見られたし、
特に違和感はないと思うんだが』
なんでこいつはこんなに
鈍いんだろうな
『それとも何か?
魔女を襲う程の度胸がお前にあるのか』
「滅相もございません」
…まぁそうか
仮に襲ったとしても、
カウンターで殺される確率の方が高い