君と僕の一夜物語
『今年の助言は…』
魔女が言葉を紡ごうとしたとき
村長の前に青年が出てきた
青年には見覚えがあり、
先ほどのダッツという男だった
「村長、いい加減に言ってやろうぜ」
「やめろ、ダッツ…!」
「あんたらも思ってるんだろ?
もう魔女の力は必要ない、って」
ぞろぞろとダッツの周りに
若い青年達が集まって行く
「おい、魔女。俺らはもう、
あんたらの力は借りない
助言はもう必要ない
ってことでさっさとこの町を
出て行ってくれ」
『…』
魔女は言葉を発しない
ただ、聞いている