君と僕の一夜物語
「ちょちょ、悪気はなかっ」
言いかけて
目の前の人物が何かを言う
『…魔女の禊を覗くとは
なかなか命知らずな奴だ』
(やはり魔女か…不味いな)
こちらに背を向けながら
簡素なワンピースのようなものと
黒のローブを羽織った
『私に何か用か
はたまた私を殺しに来たのか?』
悲しそうに、笑う魔女
『まぁいい。安心しろ
明日には町から旅立つ。その草は
10分もすればほどける。じゃあな』
その姿が気になって
「待ってくれ!」
シオンは、無意識に呼び止めていた