君と僕の一夜物語
「リファ、おは…」
言いかけて、止まる
さらさらの髪が顔にかかり
髪の隙間からその整った顔が
見えてとれた
寝起きのせいか、瞳の輝きはにぶく
どこか蕩けた表情で
ほんの少し口をあけながら
薄目でこちらを見上げる少女
そんな、いたいけな少女に
見惚れていたことを
シオンは信じたくなかった
「…お、起きろ!
朝迎えに行くって言っただろ
いつまで寝てるんだお前は…」
『…昼まで』
「馬鹿言うな、あっこら!
布団にもぐるんじゃない!」
バサッ
埒が明かず、
リファから布団全てを剥ぎ取り
ベッドの隅に重ねて置く