君と僕の一夜物語



「リファ、起きろ」


『……』


「おい、聞いてるのか
火起こすから晩飯の用意を…」


起こすために揺さぶると
整ったリファの顔の眉間に
皺が寄った


『…うるさい』


「ん?」

白いはずのリファの髪の色は
だんだんと黒と混じってゆく

『………汝の言の葉、
彼方に溶け混じれ』


「え、ちょ、待て」


『…無音と化せ』


「――――!」


黒い瞳が揺らめき光ると
シオンの声は、でなくなった


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