兄貴がイケメンすぎる件
その口パクに、あたしは首を横に振る。
っていうか逆に、早月翔太の良いトコがまた知れたみたいで逆にラッキーだ。
「おにーちゃん、美味しい!」
「天才!」
「んははっ、ありがと」
早月翔太は子供達とそう言葉を交わすと、にこやかに微笑んでいた。
……………
それから数時間が経って、ようやく子供達が家に帰って行った。
そしてようやく早月翔太とまた二人きりになれて…
「世奈ちゃん、続きしよ?」
って、キスを迫られたけど…あたしはもう薄暗い外に目をやって言う。
「…ごめん。あたしもう帰らなきゃ」
きっと兄貴が心配しちゃう。
そう思って帰ろうとすると、早月翔太は「えぇー」って残念そうな声をあげた。
でも…
「明日もまた来るから」
そう言って、そいつの頬にキスをすると、「じゃあ、待ってるね」と言ってあたしを玄関で見送る。
「なんなら家まで送るよ」
「ううん、近いし大丈夫」
「…そっか」
そしてあたしが「ばいばい」とそこを後にしようとすると、その時そんなあたしを早月翔太が呼び止めた。
「世奈ちゃん」
「…?」
何?
そう思って振り向くと、早月翔太は少し表情を曇らせて言う。
「ずっと…ずっと一緒にいようね」