兄貴がイケメンすぎる件


……………



しばらく公園のブランコに乗って健を待っていたら、そのうち健が自転車に乗ってようやくその公園にやって来た。

すると、あたしに気づいた健が入り口に自転車を停めて、あたしの傍に近づいてくる。



「…世奈」

「!」



名前を呼ばれただけで、肩がビク、と反応する。

声は怒ってるわけじゃないのに、まるで怒られてるみたい。


健はあたしの隣のブランコに腰を下ろすと、下を向くあたしに言った。



「どうだった?アイツ」

「え、」

「早月翔太」

「!」



健の思わぬ言葉にあたしがびっくりして顔をあげると、その時健と目が合った。

やっとまともに合った視線にあたしがまたうつむくと、健が話を続ける。



「…電話、何回しても出なかったからさ」

「…」

「どーせアイツのトコにでも行ってんのかなーと思って」

「…」

「…ビンゴかよ」



なかなか言葉を発することが出来ずにいるあたしに、健が切なくそう言った。



「ごめんね」



あたしがそう言うと、健は黙ってあたしの方を見遣る。



「あたし、


翔太と付き合うことになった」


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