兄貴がイケメンすぎる件
包みこむように抱きしめてくるから、翔太の温もりが心地いい。
…っていうか今日は、二人きりでいられるんだ。
そのことに嬉しさを感じていたら、あたしの耳元で翔太が囁いた。
「…大好きだよ、」
そう言って、首筋にキスを落とされる。
「ちょ、翔太っ…」
この状況は、かなりマズイ。
今までの元彼達との経験上、確かあたしはここらあたりで身体を触られて、
「シよ?」って言われた直後にソファーやベッドに押し倒されたりしたっけか。
…でも、後ろからじゃ抵抗出来ないじゃん!
「翔太、やめっ…」
やめて、と言おうとしたら…翔太が寂しそうな声であたしに問いかけてきた。
「イヤ?」
その問いかけに、一瞬「そんなんじゃないよ」って言おうとしたけど、あたしははっきり頷く。
「今はイヤ」
「…そう」
翔太はあたしの返事にそう呟くと、すんなりあたしから離れてくれた。
……ちょっと傷つけちゃったかな。