兄貴がイケメンすぎる件
ってか、付き合ってまだ二日目なのに。
翔太、もしかして意外と手が早い?
「…今日は、何もスイーツ作ってないんだ?」
別にスイーツ目当てで来てるわけじゃないけど、この空気を変えたくてそう聞けば、翔太は「ううん」と首を横に振って言った。
「プリン作ってある」
「え、」
「食べる?世奈ちゃんの為に作ったし」
「うん!」
あたしがそう頷くと、翔太は嬉しそうに冷蔵庫からそのプリンを取り出す。
手作りスイーツとか、兄貴は仕事柄作ったりするけど、プライベートとか趣味で作る男は初めて見た。
…ま、絶品だから大好きなんだけど。
「はい、これ世奈ちゃんのぶん」
「ありがとう、」
スプーンと一緒に、そのプリンを渡される。
「いただきまーす」
そう言って早速プリンを食べようとしたら、それを遮るように翔太に言われた。
「世奈ちゃんはさ、」
「うん?」
あたしの口の中に入ろうとしていた、プリンを乗っけたスプーンの動きがピタリと止まる。
その声に翔太を見たら、翔太は自分のプリンにまだ手をつけていないまま、あたしの方を真っ直ぐに見つめていた。
「…何?」