兄貴がイケメンすぎる件


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翌日。

昼休みになると、あたしは独り別のクラスの教室に向かった。


アイツ…いるかな。


そう思いながらそーっと教室を覗くと、そこにはお目当ての健の姿が…。

だけど健は何やら同じクラスの女子達と楽しそうに話していて、かなり盛り上がっている。


…話しかけづらっ!!


あたしがそう思って健に話しかけるのを躊躇していると、そんなあたしに気が付いた男子生徒が、健に言った。



「おい健、お前の嫁来てんぞ」

「!!」



よ、嫁!?

いや、冗談じゃないわ!

誰がコイツの嫁なんかにっ…!!


そう思いながらしかめっ面で健を見ると、健はちょっとびっくりした顔をしてあたしを見つめた。


だけどその後、「嫁じゃないよ」と男子生徒にそう言って、すぐにあたしのところにやって来る。



「どした?」

「え、えっと…」



そんな優しい健の声に、あたしは思わず俯いてしまう。

…って、これじゃあ健に告白しに来た女子生徒みたいじゃん!


そう思うとあたしは心の中で首をぶんぶん横に振って、目の前の健に言った。



「兄貴のことで相談があるの」

「え、勇斗くん?」

「そう!今日部活休めない?」


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